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山野 秀将; 岡村 茂樹*
Transactions of the 26th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-26) (Internet), 9 Pages, 2022/07
地震波を基に免震システムの有無で配管に対する地震応答解析を実施した。本研究では、既往研究に基づいて不確かさパラメータを設定することによってフラジリティ解析を実施した。解析結果を比較すると、免震技術はクリフエッジ効果を防ぐのに有効であることを示した。言い換えれば、免震プラントの耐震余裕は非免震プラントに比べて1.2倍大きい。応答低減効果を評価するため、本研究では不確かさパラメータとして機器の応答係数に着目した。物理的にありうる範囲で不確かさを考慮しても、免震プラントのHCLPF(5%破損確率相当95%信頼度値)は非免震プラントより2倍ほど高く、免震プラントに対して応答低減効果は有意であることが分かった。以上より、免震技術がクリフエッジ効果を避けるのに有効であることが示された。
武田 信和; 中平 昌隆; 角舘 聡; 高橋 弘行*; 柴沼 清; 矢花 修一*; 松田 昭博*
Proceedings of 9th World Seminar on Seismic Isolation, Energy Dissipation and Active Vibration Control of Structures (CD-ROM), p.299 - 306, 2005/00
核融合実験炉であるITERは、設計地震動を越える地震に対しても十分なマージンで健全性を確保するために、積層ゴムの使用を計画している。原子力分野での利用においては、25MPaの面圧の使用経験しかなく、ITERのように10MPaに及ぶ高面圧については実績がない。したがって、高面圧の積層ゴムの設計データは十分になく、詳細な特性評価が必要である。経年変化後の耐久試験の結果から、40年の経年変化後にも積層ゴムは400サイクルまでは安全に使用できることが確証された。一方、残留変形は246サイクル目に確認され、これは、剛性のような巨視的な機械的特性が変化するよりも十分に早く残留変形が観測可能であることを意味する。したがって、定期的な目視点検によって破断の徴候を察知することで、供用中の積層ゴムの破断を予防することが可能である。
武田 信和; 中平 昌隆; 多田 栄介; 藤田 聡*; 藤田 隆史*
日本地震工学会論文集(インターネット), 4(3), p.298 - 304, 2004/04
ITERはトカマク型の国際核融合実験装置であり、主要機器は、超伝導コイル,真空容器等で、運転温度は4Kから200Cまでと幅広い。このため、主要機器の支持構造はトーラス構造の半径方向に柔軟,鉛直方向に剛となるよう、多層板バネ構造を採用している。この結果トカマク装置の水平方向固有振動数は4Hzと低く、さらに地震に対しては国際標準のIAEAに照らし、地表加速度0.2gで標準設計しており、これを超える地震を想定する場合は免震が必要となる。これらの特殊事情により、ITERの動的特性を把握するための解析,実験を日本で実施している。動解析では、日本のサイト及び免震を考慮した地震動により装置の健全性を確認した。この裏付けデータ取得のため、縮小モデルの振動試験体の製作を開始した。最初の試験として、コイル単体及び支持脚単体の固有振動数及び剛性データを取得した。本論文では、ITER主要機器の動特性を把握する日本の解析及び実験の現状と計画を述べる。
多田 栄介; 羽田 一彦; 丸尾 毅; 安全評価グループ
プラズマ・核融合学会誌, 78(11), p.1145 - 1156, 2002/11
ITERは、国際協力で進めているトカマク型核融合装置であり、現在参加極間で建設準備に向けた協議が進められている。ITER建設においては、サイト国の安全規制や規格・基準類に従うことが基本とされており、我が国においても日本誘致に備えた検討が行われてきている。これまでに、文科省(旧科学技術庁)によりITERの安全上の特徴に基づいた安全確保の基本的な考え方が示された。これに基づき、原研では(財)原子力安全研究協会に検討専門委員会及び分科会を組織し、我が国の技術基準に立脚しつつ、ITERに特有な技術基準の整備を進めてきた。本報では、ITERの安全上の特徴や構造上の特徴を概設しそれに基づく安全確保の考え方及び機械機器の構造健全性にかかわる基準案の概要について述べる。
矢花 修一*; 松田 昭博*; 中平 昌隆; 大崎 敏雄*
日本建築学会2002年度大会学術講演梗概集, P. 495, 2002/08
大型構造物等に用いる支持荷重及び外径の大きな積層ゴムにおいては、その特性や性能を評価・確認するための試験を実施することが試験装置性能やコスト等の制約から困難となる場合がある。そこで、本報告では鉛プラグ入り積層ゴム(LRB)及び天然ゴム系積層ゴム(NRB)の数サイズの形状が相似である試験体を用いて、試験体のスケール効果の有無及び縮小試験体による実機試験体の水平方向力学特性の推定可能範囲について検討を行った。試験結果から、NRBにおいては試験体のスケール効果がほとんどないことがわかり、LRB試験体のスケール効果はせん断ひずみ100%以上の領域ではほとんどないことが確認された。また、LRBのせん断ひずみ100%未満の領域におけるスケールによる特性の違いは鉛プラグの特性に起因していることがわかった。
堤 英明*; 山田 博幸; 寺垣 俊男*; 蛯沢 勝三; 柴田 勝之
Seismic Engineering 2000 (PVP-Vol.402-1), p.141 - 146, 2000/00
原研では、1991年より安全上重要な機器に免震技術を導入した場合の有効性評価手法及び評価コードを開発しており、それらの高度化を目的として機器免震システムの有効性確証試験を実施している。確証試験では、原子力機器を模擬した2次元及び3次元機器免震試験システムを設計・製作し、大洗研究所敷地内のテストベッド上に設置して、自然地震動における応答観測を行っている。また、静加力試験と自由振動試験を行い、各試験システムの復元力特性と振動特性を求めた。本論文は、上記2次元及び3次元機器免震試験システムの概要、特性試験結果ならびに1999年3月26日に茨城県日立市で発生した地震動(M5.1,最大加速度86Gal)の地震動に対する応答観測結果についてまとめたものである。
中平 昌隆; 武田 信和; 高橋 弘行*; 薬研地 彰*; 圷 陽一; 多田 栄介; 矢花 修一*
Proceedings of 7th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-7) (CD-ROM), 10 Pages, 1999/00
国際熱核融合実験炉(ITER)は、日・米・欧・露の4極による国際協力のもと工学設計が進められて、直径・高さともに約30~40m、重量約50,000tという大型の装置である。ITERでは、炉内構造物や超伝導磁石などさまざまな機器が400~-270Cという幅広い異なる温度で運転され、その熱膨張あるいは収縮による相対変位を吸収するために各装置の重力支持脚は水平方向に柔軟な構造となっている。このように重量物を柔軟支持で支える構造は通常見られず、その動的応答等は複雑である。また、設計上0.2Gを超える地震力に対しては、免震により対処しなければならない。この時免震要素は高面圧下での使用となり、実績は少ない。本論文は、柔軟支持をもつトカマク構造体の動的応答性状、積層ゴム免震要素の性能試験並びにトカマクの縮小モデルを用いた振動試験の概要について述べる。
常松 俊秀; 難波 治之*; 圷 陽一; 大川 慶直; 薬研地 彰; 武田 正紀*; 矢島 健作*; 新田 義雄*; 小林 健一*; 前田 郁生*; et al.
Fusion Engineering and Design, 41(1-4), p.415 - 420, 1998/09
被引用回数:3 パーセンタイル:31.85(Nuclear Science & Technology)ITERトカマクは運転時の熱応力と重力支持並びに耐ディスラプション支持のために従来の大型機器に比べて柔構造になっており、現在の設計は0.2Gの地震力に対する設計がなされている。この設計をさらに大きな地震が想定されるサイトに建設した場合のオプションとして免震の採用が提案されており、本論文では建屋、トカマクを含めた振動解析モデルを使い免震を導入した時のトカマクへの地震力の影響を解析し、その結果から免震採用時の技術的課題を摘出している。
柴田 勝之; 蛯沢 勝三; 安藤 和博*
Proc. of 7th German-Japan Joint Seminar on Research in Structural Strength and NDE-Problems, 12 Pages, 1997/00
機器免震は、安全上重要な個々の機器の耐震性とプラントの安全性を向上できる技術として有望視されるが、いまだ実用化されていない。機器免震の特徴は、既存プラントの機器への適用性が高く、経済性にも優れていることである。本研究では、軽水炉機器の耐震性と地震リスクの低減に資するため、機器免震の評価手法開発と関連試験を進めている。Phase Iの研究として、機器免震効果を確率論的手法により評価するEBISA(Equipment Base Isolation System Analysis)コードを開発した。また、免震装置の設計法の検討等も行った。さらに、安全上の重要機器として起動変圧器を免震構造化した場合の損傷 度の低減効果について感度解析を行った。Phase IIとして、コードの検証と高度化をめざした機器免震実験を8年度に開始した。本報告では、これまでの成果と今後の研究計画について概要を紹介する。
傍島 眞; 及川 哲邦; 近藤 雅明; 水野 義信*; 村松 健; 蛯沢 勝三
10th Pacific Basin Nuclear Conf. (10-PBNC), 1, p.629 - 636, 1996/00
原子炉の炉心損傷に至り得る外的事象のうち、我が国で重要と考えられる地震について、PSA手法の研究と開発を実施し、炉心損傷に至る機器損傷の頻度を評価する手法を確立した。当初は比較的単純なモデルにより、BWRに適用し、得られた理解をモデルの改良に反映し、設計条件等の影響因子を特定した。炉心損傷頻度まで求めるコードによる計算から、交流電源の機器の耐力すなわち機能維持が、炉心損傷に大きな影響を及ぼすことが認識された。ディーゼル発電機は構成要素の総体としての耐力で破損が決定付けられ、軸受の損傷が代表的モードとなることなどが明らかになった。他の機器についても個別の方法で耐力評価を行っており、地震ハザードの不確実性を小さくし、地震PSAの利用、免振への応用などを通じて原子炉の安全向上を図って行く。
山本 智彦; 渡壁 智祥; 宮川 高行*; 岡村 茂樹*; 深沢 剛司*; 藤田 聡*
no journal, ,
Na冷却高速炉で採用を検討している「3次元免震装置」の概念・仕様を提示するとともに、各種実施してきた試験・解析についてまとめ、3次元免震装置の設計成立性の見通しと実用上十分な地震応答低減効果が確保できることを示す。
岡村 茂樹*; 藤田 聡*; 内田 昌人*; 深沢 剛司*; 山本 智彦
no journal, ,
高速炉等の新型炉では、地震に対する機器の設計裕度を確保するため、水平方向のみならず、上下方向の地震荷重の低減を目指して、3次元免震装置の研究開発がなされている。3次元免震システムの採用に際して、設計検討に用いる地震動に対する成立性はもちろんのこと、残余のリスクの把握のため、想定を超える地震に対する検討が必要となる。本検討では、現在、開発が進んでいる皿ばねを用いた3次元免震システムを想定した応答解析モデルを作成し、想定を超える地震における上下方向の応答特性を解析的に検討する。
深沢 剛司*; 平山 智之*; 横井 忍*; 廣田 昭彦*; 杣木 孝裕*; 湯川 正貴*; 宮川 高行*; 内田 昌人*; 山本 智彦; 宮崎 真之; et al.
no journal, ,
原子力発電施設の耐震性の向上を目的として、設計用基準地震動が見直されている。これによって、過去にも増して水平のみならず、上下方向の地震力の低減が機器の耐震性を確保するうえで重要となっている。著者らはこれまでに皿ばねユニットで構成される新たな3次元免震システムの開発を進めてきた。その設計成立性および耐性を検証するためには、本免震システムの荷重-変位関係の確認が必要となる。本論文では1/2縮尺試験体を対象に基準地震動およびこれを上回る荷重領域下で実施した静的試験で得られた結果を報告する。